ホームセンターでも手に入れやすい、杉や赤松などを使っていたDIY。DIY歴も4年が経つと、そろそろ広葉樹も使ってみたい!と思いますね。初めて使う憧れの広葉樹。まずは少しの材料で気軽にできる、バターケースを作ってみました。
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広葉樹はどこにある?
手始めに、カインズ・コーナン・ロイヤルホームセンターなどを探し回ってみましたが、見つかりませんでした。カインズホームなどで「ハードウッド」というコーナーを設けて販売していたこともあるようですが、今はほとんど見かけなくなりました。
角材をくり抜いて作るという方法もありますが、貴重な天然木の中身を全部捨ててしまうようなやり方は、あまりにも勿体無いと思いました。
ホームセンターで購入できないとなると、ネット通販や木材専門店になります。希望の材は厚みが10ミリ。幅が150ミリくらいのもの。このサイズが買えるところを調べてみると、いくつか見つかりました。
「ウッドショップもくもく」
東京都江東区新木場にある木の専門店。取り扱っている木材の種類は100種類以上。ズラーっと並べられた銘木の数々に、圧倒されそうな品揃えです。
ネットショップは残念ながらお休み中(2024年3月現在)いつか絶対に行ってみたいお店です!
「馬場銘木」
端材という名前で手頃なサイズの銘木を販売しています。木の種類も豊富で大きさや厚みも色々。希望のサイズが見つかりやすい在庫数です。端材セットという、面白そうな商品もありました。
「もくもくマーケット」・「ウッドモール」
もくもくマーケットも、ウッドモールもフリーカット販売なので、好みのサイズを入力して購入できますが、価格が少し高めな印象。
マデラスタイル
DIY用の無垢木材専門店。仕上げ加工済みの綺麗な薄板が、豊富に揃っています。値段もリーズナブルなので、試しやすい。
色々な種類の広葉樹を買ってみた
今回はマデラスタイルさんで購入することにしました。初めて手にするので、色々な種類を少しづつ購入してみました。
レッドオーク
ホワイトオーク
シナ
ブラックチェリー
クリ
タモ
どれもしっかりとしていて、やはりいつも使う木材よりもずっしりとしています。シナはほとんど木目がなく真っ白で綺麗。そのほかの木は表情のある木目が魅力的です。
天然木(ブラックチェリー)の手作りバターケース
全部作ってみたいけど、今回はブラックチェリーを選びました。独特の色をしていて、オイルを塗ったらどんな感じになるんだろうと興味が出ました。
使いやすさを重視したシンプルなデザイン
こちらが完成したものです。枠をベタ付け(4枚の板をそのまま組み合わせる組み方)で組んでから、上部の板を接着して取れないようにしました。
本体を外すとこんな感じ。底部分はカッティングボードとして、このままここでカットできるようにしました。木材が足りなくなってしまったので、底の部分だけレッドオークを使っています。
その上に乗っているのは(色の違う部分)本体と同じブラックチェリーです。
各パーツのサイズはこちら(板厚は10ミリ)
枠部分 長手 | 150mm×50mm | 2枚 |
枠部分 短手 | 85mm×50mm | 2枚 |
上部 | 172mm×85mm あとでトリマーで面取りするため、両端を1ミリづつ大きめにしました |
1枚 |
下部 | 170mm×85mm 枠を組み終わってから、実寸を測ってから切り出すのがおすすめ(微妙な誤差が出るため) |
1枚 |
下部盛り上げ部分 (バターを置く部分) |
148mm×65mm 蓋の締まりに影響するので、微妙な調整が必要でした |
1枚 |
小さな木材を丸鋸でカットする治具
バターケースのような小物は、一つ一つのパーツも小さいので、どうやったらサイズぴったりに綺麗にカットできるのか・・そこが一番悩んだところです。
スライド丸鋸やテーブルソーを使えば簡単なのかもしれないですが、置く場所などを考えると難しいので、材をしっかり押さえることのできる治具を作りました。
このように合板の裏にトグルクランプを固定して、端に墨線を合わせて材料をしっかり挟みます。
それをひっくり返して、このように切ります。茶色の合板の幅は、丸鋸のプレートに合わせてカットしました。
丸鋸の刃の厚みでずれることがあるので、刃が墨線の上にしっかり乗っているか確認してから切るとうまくいきました。
食器にも使えるボンド
食品を保存するものなので、いつもの白色木工ボンドは使用せず、食器にも使えるというフランクリンタイトボンド3を使うことにしました。一角づつ直角を見ながら接着していきます。
枠がしっかり接着できたら、上部の板もボンドでしっかりと固定します。
カッティングボードにもなる底蓋の加工
底の部分を蓋として利用するために、板の周りをトリマーでぐるっと段欠きをしました。10ミリ厚の板だったので、半分の5ミリを掘ることにしました。
いきなり深く掘るのは危険なので、まずは3ミリ。次に2ミリ掘って、合計5ミリの深さの段欠きをしました。
立ち上がりが浅くてゆるゆるなので、10ミリ厚のブラックチェリーを接着したら、しっかりとしまるようになりました。
立ち上がり部分は15ミリくらいは必要だということがわかりました。5ミリ厚の板に10ミリの板を貼り付ければ、わざわざ段欠き加工をしなくてもよかったですね。
面取り加工を施して、可愛らしくする
仕上げの加工は面取りです。ボーズ面ビットを装着し、トリマーテーブルで加工します。
ボーズ面ビットのコロが、フェンスの穴と並行になるように固定して、端材でテストしてから本番。角を取ると全体的に丸みを帯びて、可愛らしい印象になりました。
塗装はアマニ油。木工用のアマニ油でも、スーパーで売っている食用のアマニ油でも、どちらでも大丈夫です。
ブラックチェリーは深みのある赤褐色に。レッドオークはあまり色の変化はなく、白っぽいままです。全体的にツヤが出ていい感じに仕上がりました。
塗り終わったら、余分な油分を拭きってから乾燥させて、2度塗りをして完成です。
まとめ
箱の組み方には今回行ったベタ付け(いも組み)の他に、材料を45°にカットして接合するVカット(留め組み)やあられ組などがあります。Vカットやあられ組みは特殊な治具や緻密な精度が求められます。
広葉樹は木口も綺麗なので、ベタ付けでも十分美しく仕上がったと思います。広葉樹は硬くて加工がしにくいと言いますが、しっかりと墨を入れてまっすぐに切れば、それほど大変さは感じず、むしろ切り口がピシッと直角に出やすい感じがしました。
オイルを塗った時の色の変化も、木の種類で全く違ったので、今回使わなかった他の木材でも作ってみたくなりました。また作りましたら追記しますね!