背の高い、昔ながらの洋服タンス。圧迫感もあるし、リフォームを進めていくと部屋の雰囲気とも合わなくなってきました。下半分はキッチンの隙間収納にしたのですが、今回は上半分を使ってローチェストを作りました。
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大きなタンス・・処分する?
こちらが今回再利用する古いタンスです。昔の家は収納も少なく、モノを多く持つ傾向にあったので、家具もこんな感じのものが多かったですよね。
上下が二つに分かれます。処分しようかとも思いましたが、しっかりとした作りになっていたので再利用することに。前回は下の部分の引き出しを使って、キッチンの隙間収納を作りました。今回は上の部分を使います。
下に下ろすとこんな感じ。だいぶコンパクトになりましたね。さらに引き出しを3段にして背を少し低くし、脚をつけておしゃれな感じにしたいと思います。
タンスの解体方法
背を低くするために、側板を短くします。スライドレールも取り付けたいので、中に入っている棚板も撤去します。
そのため、一度解体することにしました。処分するなら簡単なのですが、再利用したいので、傷をつけないように気をつけながら解体します。
タガネやバールなどが入る場所を探します。ほんの少しの隙間を見つけて、少しづつ慎重に剥がしていきます。
今回は側板から攻めてみました。このあと中板を撤去して
そーっと傾けて
背面のベニヤ板が釘で固定されていて苦戦しましたが、無事解体完了
解体したパーツのリサイズ
次は解体したパーツを整えていきます。天板はそのまま使いますが、モールディングの部分は切り落としてデザインを変えました。
側板は短くリサイズします。一番下のダボ穴の下で切り揃えました。
タンス本体の横幅は変更しませんが、スライドレールを入れるスペースを作るために、引き出しをリサイズします。スライドレールの厚みは片方で12.7ミリ。両方で25.4ミリ。
なので、引き出しの横幅を25ミリ小さくすることにしました。
ですが、なかなかピッタリにするのは難しいです。引き出しの方が小さかった場合はマスキングテープや薄い合板などで調整すればいいのですが、大きいと削るしかなくなるので大変です。なので気持ち小さめに作るのが良いかと思います。
このように切り込みを入れてから
こうして外してから
底の板を、溝に入る分の出っ張りを残して切り落とします。
刺さっていたくぎを抜いて
元に戻してから抜いた釘を打ちました。
背面のベニヤ板のリサイズは、組み立てる直前にすることにして、次は突板シートを貼っていきます。
古いタンスのリメイクに突板シート
使用する突板シートはホワイトオークです。天板と側板、底板。木口を含めた見える部分に専用のボンドで貼ります。前回は基本通り、ボンドを2度塗りして接着しましたが、慣れてきたので1度塗りでやってみました。
問題なく綺麗に接着できたので、次回からは1度塗りでも大丈夫かなと思います。やすりで整えてからワトコオイル(ナチュラル)を塗りました。古いタンスから取り出したパーツが素敵な無垢板になりましたね!
前板に関しては、もともとついていたものが重すぎるので、ここだけ新しい木材を購入してきました。タンス全体の縦の内寸が660ミリでした。前板と前板の隙間は5ミリとしました。
660-10=650
650÷3=217
になるので前板の高さは217ミリ。横幅は元の前板と同じサイズになります。こちらを15ミリのラワンランバーで3枚用意して、本体と同じように突板シートを貼り、ワトコオイルで塗装しました。
組み立てとスライドレール取り付け
塗装まで終わったので、組み立てていきます。ボンドで接着する前に、仮りで組み立て、背面板のカットをこのタイミングで行いました。
これで全てのパーツが揃ったので、ボンドを使って本組みしていきます。もともとあった背面板をはめるための溝や、ダボ穴を利用して組み立てるので簡単です。
まずは底面に側板を接着します。
背面板を溝に入れて
天板を入れます。
スライドレールを取り付ける前に、一度シミュレーションしてみます。
側板はフラッシュ構造になっているので、ダボが入っている部分にしか下地がありません。なので、この位置にスライドレールを取り付け、見た目は前板で調整するようにしました。
一番下だけ下地がないところにつけざるを得ませんでしたが、ビスの数を多めにしたらなんとかなりました。
取っ手はあらかじめつけておき
5ミリの合板をスペーサーにして、下から順番にビスで固定します。
タンスに脚をつけておしゃれにする
今回のタンスリメイクで、一番のオシャレポイントになるのが脚です。脚をつけることによってスッキリと見えるので、絶対にやってみたかったこと。色々考えた結果、自分で作って見ることにしました。
使用する材料は60ミリの角材です。この角材を斜めにカットして、よりスマートな印象にします。斜めカットに使うのは自作のノコギリガイドです。マグネットシートを貼り付けただけのものですが、これがめちゃくちゃ良かった!
こんなに綺麗に切れました!
脚を支える枠となる木材は30ミリの角材にしました。脚と角材を同じワトコオイルで塗装し、作った脚を連結させるためのダボ穴を開けます。
今まで、ダボマーカーを使っていたのですが、失敗することが多いので今回はマスキングテープを使ったやり方を試してみます。
まず、足の方にマスキングテープの粘着面を表にしてこのように貼り付け、そこにドリルで印をつけます。
そうしたら連結する方の木材を合わせて、ズレないように注意しながら、マスキングテープを枠の方の木材に貼ります。
マスキングテープに穴が開いているので、マスキングテープの上からドリルで印を入れて、マスキングテープを剥がします。
簡単なダボ穴治具を作りました。これで先ほどドリルで印をつけたところに、垂直に穴を開けます。
全ての連結部分にダボ穴を開けたら、ボンドを使って接着していきます。
枠の部分を数箇所ビス打ち。脚の部分にも斜めにビスを入れたら強度がでました。
最後に傷防止のフエルトシートを貼って
完成です!
BEFORE
AFTER
まとめ
今回のリメイクのポイントは、突板シートと脚。それからスライドレールです。突板シートを貼ることで、まるで無垢材で作った家具のようになりました。
そして、脚をつけることでスッキリとした見た目になり、古さを感じないスタイリッシュな雰囲気に。棚板を全部撤去してスライドレールをつけたのも、大正解だったと思います。
使いやすさも大幅にアップして、オシャレなローチェストに生まれ変わりました。
元々あったダボ穴や溝はそのまま使ったので、組み立ても簡単にすることができ、やって良かったなーと思えるDIYでしたよ!!