普通の窓と違い、台形の出窓に内窓をつけるのはかなり悩みました。色々試行錯誤した結果、窓から少し離れた位置に引き戸を取り付けるのが、一番スマートで簡単にできる方法だと思います。結露もなくなりましたし、内窓の外側と部屋の中では、温度差は5度くらいありました。
防寒対策としてもおすすめで、ナチュラルな木枠で部屋がとてもおしゃれになりますよ!
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はめ殺しの内窓で試してみる
この出窓はリビングにあるのですが、開けることはほとんどなく、もはや採光目的の窓になっています。そのため、まず考えたのははめ殺しタイプの内窓です。はめ殺しとは、スポッとはめ込んでおしまい!という窓です。
とりあえず、台形の横の部分を作ってみました。木枠を組んで、裏から中空ポリカを両面テープで貼るという簡単な作りですが、こんな作りでも十分内窓としての機能は果たします。機密性を高めるために、隙間テープを貼ってみます。
問題はうまくはめ込めるかという点です。上にはカーテンレールが邪魔しています。カーテンレールと窓の隙間にねじ込んでみます。
両サイドの窓はなんとかはまりましたが、正面の窓も含めると隙間なくはめるのは・・・できなくはなさそうだけど、ちょっと無理があると決断しました。
ちなみにこちらの小窓の内窓は真四角で障害物もないので、はめ殺しタイプの内窓でスッキリ収まりました。
出窓に引き戸をつけるための鴨居と敷居
考えた結果、窓から少し離れた位置に引き戸をつけることにしました。下には敷居、上には鴨居を設置して、2枚の内窓をスライドできるようにします。もちろん取り外しもできるようにします。
敷居は巾10ミリ、厚みが3ミリの工作材を使いました。
鴨居は10ミリ角の工作材を使って作りました。どちらも超面テープで貼っただけです。
このように作った鴨居と敷居に合うように内窓のサイズを決めるのですが、その前に引き戸が外れる仕組みについて理解しないといけません。ポイントは鴨居(上の部位)に引っかかる部分の形状です。家の中に引き戸があれば、そちらをみてみましょう。
引き戸を外す時は扉を上に少し持ち上げて浮かせたら、斜めに傾けて外しますね。そのため上の部分に隙間が必要になります。この2か所。それぞれ5ミリくらい。鴨居の深さが10ミリなので、このくらいにしてみましたが、ちょうどよかったと思います。
そして、もう一つ疑問があるかと思います。それは、なぜこのようにL字の形にする必要があるのかです。それは2枚の内窓の重なり部分の隙間をなくすことです。L字型にしないまま、重なり部分に隙間を作らないようにするためには、真ん中の鴨居を薄くしなくてはいけません。
ですが、このようにL字型にすることにより、このように太い幅の鴨居でも、2枚がピッタリと重なり、隙間がなくなるんですね!
私は出来上がってからトリマーで削ってしまいましたが、削るのではなく足すという方法で作っても良いと思います。敷居の方(扉の下の部分)は足す方法で作りました。
敷居に使った材料と同じもの(巾10ミリ、厚みが3ミリの工作材)を両面テープで貼り付けました。こうやってL字を作ることも可能です。窓枠と同じ色で塗装しました。こちらはワトコオイルのエボニーとナチュラルをブレンドしたものです。
エボニーは黒が強すぎて、あまり好みではなく余ってしまっていたので、なんとか使う方法がないかと試したのですが、いつも使うワトコオイルのミディアムウォールナットよりも少し深みのある、いい色になったと思います。
敷居と敷居、鴨居と鴨居のそれぞれの間隔ですが、私の場合は窓枠をはめながら、スムーズに動くような間隔を探して決めながら貼っていきました。ミリ単位で変わってくるものは、実寸でやるのが一番だと思っています。
滑りが悪い場合は敷居シールを貼ったり、すべロウを塗ったりすると良いと思います。
中空ポリカで内窓を作る
今まで、色々な方法で内窓を作ってきましたが、作るたびに発見がありましたし、反省点もありました。そんなことも交えてご紹介しますね。
今回もトリマーで溝を掘る方法で作ります。溝つきの木材を買うよりも材料費が安く済みますし、4ミリの中空ポリカには6ミリの溝が入れやすく、そうなると自分で溝を掘るのが一番です。材料はホームセンターで購入した杉。21ミリ×30ミリ、1820ミリで1本300円くらいでした。
溝掘りはトリマーテーブルを使えば、簡単に綺麗に手早くできますし、トリマーテーブルも簡単に作れますので、トリマーをお持ちでしたら強くおすすめします。
そして今回は溝の掘り方も少し変えてみました。ビスを打つ部分を避けて掘るやり方です。溝を掘った部分にビスを入れようとすると、空回りしてしまったり安定しなかった気がするからです。
ビスが入る位置にあらかじめマスキングテープを貼っておいて、深さが10ミリくらいになるように、何回かに分けて溝を掘りました。
溝ほりが終わったら塗装をして、一晩乾かしてから組み立てします。まずはEの字になるようにビスで止めて・・・。
中空ポリカをはめ込みます。ポリカのサイズですが、溝に埋まる分を考慮してカットします。溝の深さは10ミリにしましたが、溝に入る分を7ミリくらいにすると、キツすぎずゆるすぎず、ちょうど良い感じでした。
ポリカが入ったら、上からふたをするように、最後の1本をビスで固定します。鴨居にはまる部分をトリマーで削って、窓枠の完成です。実際にはめてみて取り外しができるかどうかを確認しましょう。
完成したものはこちら。
4枚扉も作りました。
まとめ
台形の出窓は、形がいびつなのでどのように内窓を設置するか随分考えました。鉢植えや小物を置いてインテリアを楽しむスペースが狭くなってしまいますが、このように窓から少し離れたところに設置することによって、隙間なくスマートにつけることができたと思います。
ここも結露がひどくてカーテンにカビが生えてしまったり、毎日びしょびしょで掃除も大変だったのですが、内窓をつけることにより、結露は一切つかなくなりました。内窓の向こう側と部屋の中とでは、温度差が5度くらいはありますよ!夏場のエアコンの効率も良くなるのではないかと期待しています。
結露対策、防寒対策に。内窓作りを挑戦してみてはいかがでしょうか。参考になれば嬉しいです、最後までお読みくださりありがとうございます。