漆喰塗りの壁は、高級感があってオシャレな雰囲気。初めて漆喰塗りに挑戦しようとするならば、下調べは必須です。ですが調べていくうちに「大変そうだなぁ」と不安になってしまうこともありますね。
私もたくさん下調べと勉強をしましたが、やってみて初めてわかったこともたくさんありました。この記事では調べてもなかなかわからなかったこと、漆喰塗りの「大変さ」を克服した方法を中心に書いてみたいと思います。
漆喰塗りの大変なところ
結論から言うと、素人が漆喰塗りをする場合、少しづつ進めることが一番です。いきなり大きな面積を仕上げようとすると、どうしても大変になってしまいます。ですが注意点もいくつかあります。まずは漆喰塗りの大変なところをあげてみますね。
漆喰練り
市販されている漆喰には、すでに練ってある練り済み漆喰と、粉の状態でパッケージされ、自分で水を加えて練るタイプの粉漆喰があります。練り漆喰は確かに楽ですが高価なところが問題です。
粉漆喰を練るのは大変そうに思えますが、少しづつやれば思ったほど大変ではありません。また、効率的で楽な練り方もあります。こちらはあとで説明しますね。
一つの面を途中でやめられないこと
どのサイトを見ても、「漆喰は一度塗り始めたら、区切りのいいところまで休まずに完了させる」と、書いてあります。これはやってみるとその意味がよーくわかります。壁の途中で作業を中断してしまうと、塗り継ぎの部分が目立ってしまって不恰好になってしまうんですね。
特に1人で施工する場合は、これが本当にキツイ。途中でやめられないと言うのはプレッシャーにもなります。何とか塗り継ぎしながら少しづつ進められないか・・そう思って色々な方法を試し、良い方法を見つけました。
こちらもあとで説明しますね。
壁紙の薄紙剥がし
漆喰を綺麗に仕上げるためには下地作りが大切です。最初は壁紙の上からやったのですが、壁紙の状態によっては厚塗りになってしまうので、やはり壁紙を綺麗に剥がしてからやるのがベストだと思います。
この壁紙剥がしも大変です。表面の壁紙は簡単に剥がれるのですが、そのあと薄紙まで剥がします。(薄紙を剥がさないと、漆喰を塗った時に浮き上がってきてしまうので)霧吹きで湿らせてからスクレイパーでこそげ落とします。
簡単にするコツは、霧吹きで湿らせたあと少し時間をおいてから剥がすことです。そうすると野菜の皮をピーラーでむく時のように、スーーッと面白いように簡単に剥がすことができます。
場所によっては何度か、湿らす→時間を置く を繰り返さないといけないかもしれませんが、これをやるのとやらないとでは大違いです。また、壁紙剥がしをしたあとに、シーラーを2度塗りして乾燥させます。
そのため、下地作りと漆喰塗りは別の日に行います。漆喰を塗る日は漆喰塗りだけに集中できるよう準備しましょう。
DIYでの漆喰塗りを楽に進める方法
漆喰練りを簡単にする
粉漆喰をダマなく練るのに、一番簡単な方法はビニール袋に入れて、足で踏む方法です。いっぺんにたくさんやると大変なので、少しづつやるといいです。
ビニール袋は45Lのゴミ袋を2枚、漬物袋を1枚使います。漬物袋はスーパーやドラックストアでは見当たりませんでしたが、ホームセンターに売っていました。1斗用〜2斗用くらいで良いです。
ゴミ袋だけだと確実に破れますが、漬物袋はとても丈夫なので、踏んで漆喰を練っても破れることはありません。漬物袋はちょっと高いので、漆喰塗りを数回に分けて行っても、繰り返し使えるように、ゴミ袋を重ねて使います。
漬物袋に直粉接漆喰を入れるのではなく、漆喰を入れたゴミ袋→漬物袋→ゴミ袋の順番で重ねます。ゴミ袋に粉漆喰を入れ、そのゴミ袋を漬物袋に入れ、さらにそれをゴミ袋に入れます。
漆喰の入った袋に水を入れ、軽く5分くらい踏んだら、そのまま一晩置きます。水の量は適当ですが、全体に水が行き渡って、指で押せるくらいの硬さくらい。
次の日、また水を足しながら踏んで練ります。足で踏んでいるとダマがあるのがわかります。ダマを感じなくなるまで踏んで練ります。そうしたら、またこのまま一晩放置します。
漆喰練りをする直前に袋から、バケツなどの容器に移します。一番内側のビニール袋だけを取り出し、袋の角にハサミを入れて絞り出します。生クリームを出すような感じですね。
容器に出したら、漆喰を塗る直前に全体を攪拌します。お好み焼きの生地くらいの硬さになるように、必要ならば水を足して、ふわっと滑らかな感じに仕上げれば出来上がりです。
最後の仕上げは、ドライバーに装着できる攪拌器が便利です。足で踏むことによって、ほとんど完成しているので、最後に硬さを調節するくらいのイメージです。ちょっとあいた時間にちょこちょこ踏んで練ることができるので、楽にできます。
塗り継ぎを綺麗にする方法
継ぎ目なく綺麗に仕上げるには、どうしても壁一面を一気に塗り終える必要があります。慣れないうちはとても時間がかかるので、これがものすごく大変です。最初は狭い場所を塗るといいです。例えばこんな場所。
次におすすめなのが、継ぎ目が狭くなり、目立たない場所。例えばこの面でしたら、このように進めます。塗り継ぎの部分がエアコンの左下の狭い場所に限られています。
この場合、継ぎ目がほとんど目立たないので、1を塗ったところでやめても大丈夫です。後日2の部分を塗ればOKです。
次に、このような壁面です。この場合、窓の端を境に分けました。
最初の写真と比べると、継ぎ目の部分が広くなりますね。そこで継ぎ目を目立たなくするにはこんな感じにします。
- 壁紙剥がしは全部やっておく
- 継ぎ目をぼやかして終わる
- 反対側もぼやかすように塗り重ねる
塗り重ねた時に、塗れた雑巾で自然な感じになるようになじませました。仕上がりはこんな感じ。継ぎ目はほとんど気になりません。
ちなみにこちらは、壁紙を剥がしながら塗り進めた塗り継ぎ部分。まっすぐな継ぎ目が目立ってしまった失敗例です。重なった部分が厚くなってしまったのが原因かと思われます。
まとめ
今回漆喰塗りをした部屋は、一つの壁面が3mほどの幅があるリビングルームです。作業時間は1日3時間くらい。壁の半分くらいを目安に塗り進めて行く感じ。1ヶ月かけて完成しました。
一気に仕上げようとすると大変なので、少しづつ進めるのが楽しくやる秘訣。やって行くうちにどんどんコツも掴んでいきます。仕上がりも最後にやった面が一番綺麗でした。
最初は目立たない場所で練習をして、目につくところは最後にするといいと思います。ちょっとした失敗も味があっていいかも・・?ですけどね。