令和ゆかりの地を巡る。坂本八幡宮と太宰府天満宮を散策

新元号「令和」のゆかりの地となったことで、福岡県の坂本八幡宮や太宰府には国内外から大勢の観光客が訪れています。日本人としてやっぱり見ておきたい「令和」ゆかりの地を、令和元年の秋に訪ねました。

「令和」の典拠は、万葉集の一節だと言います。これは、大宰府の長官だった大伴旅人が、大宰府政庁に近い、現在の坂本八幡宮付近にある邸宅で催された宴の様子を表現していて、「梅花の宴」とも呼ばれているそうです。

そこで、太宰府八幡宮から坂本八幡宮を巡る散策ルートを紹介します。観光案内所でもらったチラシの地図では、歩いて回れそうな気がしましたが、実際試してみると、徒歩で回るのは大変です。レンタル自転車やバスを使うと効率的です。

太宰府天満宮から坂本八幡宮への行き方

スタート
太宰府駅
太宰府天満宮を散策
西日本鉄道(西鉄)の太宰府駅より徒歩5分。参道では食べ歩きも楽しめます。
コミュニティバスに乗車
天満宮でお参りをしたら、奥の無料休憩所の横を通って、天然記念物「ひろはちしゃの木」の横を通り、道に出て右に少し進むと「宮前」バス停があります。そこからまほろば号に乗車できます。
坂本八幡宮へのアクセス
太宰府政庁跡下車
太宰府政庁跡バス停

バスを降りるとすぐに太宰府展示館があり、その奥に太宰府政庁跡が広がります。

太宰府政庁跡
広場のような太宰府政庁跡を通り抜け、少し歩くと坂本八幡宮があります。
坂本八幡宮
新元号令和の由来となったところ
太宰府政庁跡バス停
再びコミュニティバスに乗車。
太宰府駅
お疲れ様でした!

太宰府観光にコミュニティバス「まほろば号」

まほろば号
まほろば号
まほろば号は太宰府の観光名所をまわるのに、とても便利なコミュニティバスです。しかも全区間100円という安さ(スイカなど、交通系ICカードも使えます)1日乗り降り自由なフリー乗車券でも300円です。

フリー乗車券は西鉄太宰府駅の観光案内所か、まぼろば号の車内でも買うことができます。また、太宰府駅では自転車も借りられます。レンタル料は1日500円から。電動アシストもあるので、天気や季節によっては自転車を借りても良さそうです。

令和ゆかりの地。坂本八幡宮

坂本八幡宮

初春の令月にして、気淑く風和らぎ・・
「万葉集」の梅花の歌三十二首の序文です。これが新元号「令和」の出典であると発表されました。梅花の歌は太宰府長官の大伴旅人の邸宅の宴の様子を歌ったもので、その邸宅が坂本八幡宮であると言われています。

これにはいくつか説があり、はっきりしたことはわかっていないそうです。大伴旅人は自身の邸宅に九州諸国の役人を招いて宴を開催していました。高貴な花とされていた梅をテーマに歌を詠んだことから「梅花の宴」とされていたんですね。

太宰府展示館では博多人形で、優雅な「梅花の宴」を再現展示しています。
太宰府展示館
太宰府の梅

歴史感じる太宰府政庁跡(都府楼跡)

太宰府政庁跡

ご覧のように、今は広々とした公園のようになっています。両脇には川が流れていて、お堀を思わせるような感じ。特に正面から向かって左側の川沿いは、桜や紅葉もあるのでお花見や紅葉がりのおすすめスポットです。

礎石があちこちに残っていて、ここに建物があったのだと感じさせてくれます。

太宰府政庁跡
太宰府政庁跡

太宰府政庁跡は、都府楼跡(とろうふあと)とも呼ばれています。九州全体を治める役所、「太宰府」があった場所です。7世紀から12世紀前半にかけて対外交流や軍事防衛の拠点として重要な役割を担っていました。こちらも太宰府展示館に模型があるようです。

残念ながら展示館は月曜定休で入れず・・。

太宰府政庁跡

バス停を降りたら太宰府展示館を見て、太宰府政庁跡の真ん中を抜けて裏から道に出られます。坂本八幡宮を訪れ、川沿いを歩いてバス通りに戻りました。

太宰府天満宮のおすすめは?

学業の神様に受験の合格祈願

太宰府天満宮は、学問の神様「菅原道真公」を祀っています。この日も受験合格や学業成就のご祈願をされている方で賑わっていました。

美しい色と曲線の太鼓橋

太宰府天満宮の橋

太宰府天満宮の鳥居をくぐると、すぐに美しい橋が見えます。曲線の太鼓橋→直線の橋→曲線の太鼓橋の3つの橋となっていて、橋の上で写真を撮る人たちも多くいるのですが、この橋を渡る時は注意をしなければならないそうです。

  • 最初の太鼓橋は過去を表しているので、振り返らない。
  • 次の直線の橋は現在を表しているのでので、立ち止まらない。
  • 最後の太鼓橋は未来を表しているので、つまづかない。
橋の上で記念撮影はせずに、踏みしめて何かを感じながら渡るのがいいのかもしれませんね。

博物館や遊園地も

太宰府天満宮には貴重な文化財が展示されている、「宝物殿」の他に、博物館や遊園地もあります。

九州国立博物館へは、エスカレーターとトンネルで繋がっていて、徒歩5分で行き来することができます。太宰府遊園地には子供が喜びそうな乗り物があります。また園内のもみじ山もあり、もみじの季節は穴場かもしれません。

太宰府天満宮に行ったら梅ヶ枝餅

太宰府天満宮の参道を歩いていると、「梅ヶ枝餅」の看板があちこちに。梅ヶ枝餅は太宰府天満宮の名物なんですね。早速探していると、雰囲気の良さそうなお店があったのでよく見てみると、奥に素敵な日本庭園があり、お庭でいただけるようなので、こちらに決まり♪

松屋

太宰府天満宮の松屋

素晴らしい日本庭園を眺めながら、焼きたてアツアツの梅ヶ枝餅とお茶をいただけるなんて、贅沢です。お店の裏口から外に出ると、風情のある建物を見ることができます。このお店はもともと宿屋を営んでおり、あの西郷隆盛ともゆかりがあるそうです。

太宰府八幡宮梅ヶ枝餅
太宰府八幡宮の梅ヶ枝餅

外側はパリッと香ばしく、中はモチモチとした食感。熱々の焼きたてをいただきました。

太宰府天満宮表参道にあるスタバ

太宰府のスタバ

新国立競技場の設計を手掛けたことでも有名な、隈研吾氏のデザインで、多くの人が記念撮影をしていました。歴史ある太宰府にマッチした和の雰囲気で、インスタ映えスポットとしても人気です。

リニューアルした太宰府駅

太宰府駅がリニューアルされたのは、平成時代の2019年1月。太宰府天満宮をイメージした朱色のホームで、電車を降りた瞬間に太宰府らしさを感じられます。梅のモチーフや令和を祝う旗もあり、電車を撮影する人でも賑わっていました。

太宰府駅
太宰府駅

まとめ

太宰府八幡宮から坂本八幡宮を巡る散策ルートをご紹介しました。太宰府天満宮は従来から大勢の観光客が訪れる観光ルートですが、坂本八幡宮は、令和の新元号効果で世界中の注目を集めるようになりました。

私が坂本八幡宮を訪れた時には、官房長官が新元号「令和」を発表した際に掲げたのと同じような墨書の額縁が2つ置いてあり、記念撮影を楽しめました。

外国人観光客が増えている福岡の地で、万葉の歴史を肌で感じられる新たな観光スポットとして人気が集まりそうです。