夏の黒部峡谷をひと言で表現するなら、まぶしいほどの「ミドリ」です。黒部渓谷流域の平均斜度は36度と勾配が強く、深いV字狭の中をトロッコで走り抜けます。
カメラのファインダーをのぞくと切り立つ崖の木々の鮮やかなグリーンが迫ってきます。黒部川渓流の流れは速く、花崗岩と急峻な地形が作り出す幻想的なエメラルドグリーンにも目を奪われます。険しい谷と厳しい自然につつまれた「秘境」の魅力をカメラにおさめようと、シャッターを切りました。
トロッコで巡る黒部渓谷
主なコースと所要時間、料金は?
トロッコの全体図です。宇奈月を出てから、黒薙(くろなぎ)、鐘釣(かねつり)、と停車し、終点は欅平(けやきだいら)です。
値段です。
この他に、何回でも乗り降りできる「乗り放題きっぷ」もありました。また、夏休みにこども料金が安くなるサービスや、シニア料金が安くなるシニア感謝デー、北陸県民は安くなる期間などもありましたので、実施期間などを事前に調べると良いですね。
自分がどのあたりを見たいのか、何がしたいのかを考えて、どの駅で降りるのか、どこまで行くのかを決めましょう。私は欅平の奥鐘橋やパノラマ展望台、猿飛峡に行ってみたかったので、終点欅平までの片道切符を買うことにしました。
車窓から狙えるトロッコ撮影スポット
宇奈月駅を出てすぐに、右手に宇奈月湖が見えます。エメラルドグリーンの水と、赤い湖面橋とのコントラストが綺麗なこのアングルにまず歓声がわいていました。
さらに少し進むと新柳河原発電所が右手に見えてきます。西洋の城をイメージして設計された発電所が、湖に浮かぶお城のような光景ですね。
黒薙(くろなぎ)駅を出発するとすぐに後曳橋(あとびきばし)を渡ります。緩やかなカーブを利用すると、こんなアングルの写真が撮れます。
出し六峰。行きのトロッコから右側に見えてきたところを捉えました。出し平ダムの少し先です。看板も出ています。
いつもはアングルを考えながら、レンズを付け替え、微妙な調節をしながら撮影するのですが、とにかく早いので、行きは広角レンズのみを使い、広大なイメージを捉えました。帰りは望遠レンズのみを使い、ポイントポイントを撮影しました。
欅平で黒部渓谷の魅力を堪能
トロッコ電車の終点は見所がたくさんあります。駅にはパノラマ展望台があり、そこから見下ろす奥鐘橋は絶景です。
展望台から見えた橋の上を歩いてみます。綺麗な山と橋の写真が撮れました。橋から乗り出して下を撮るのは危険なのでやめましょう。
橋の先には人喰い岩。岸壁が口を開いて人を飲み込んでしまいそうな迫力です。
河原まで出ると下からの絶景を撮影することができます。水もとても綺麗で近づきたくなるのですが、流れは結構急なので注意してくださいね。足湯に浸かりながら絶景を見られるオススメのスポットです。
欅平の滞在時間
欅平では、食事、川原まで降りての写真撮影、足湯など。滞在時間は1時間半ほどでした。今回は猿飛峡(さるとびきょう)までの道が通行止めで行けなかったのですが、そこまで行ったとしたら、さらに1時間ほどかかるかもしれません。時間には余裕を持って予定を立てるのが良いですね。
東京から黒部渓谷へのアクセス
大人、1,100円の往復切符。往復の方がちょっとお得だそうです。
通過する舌山駅を車窓から撮影
わかりやすく看板があります
緩やかな坂を登ってすぐ
大きな荷物はコインロッカーに
スーツケースなどの大きな荷物はコインロッカーに預けましょう。新幹線の止まる黒部宇奈月温泉駅はもちろん、富山地方鉄道の宇奈月温泉駅や、黒部渓谷鉄道の宇奈月駅にもあります。
まとめ
猛暑と言われる季節に訪れましたが、それでもトロッコがトンネルに差し掛かると肌寒いです。とくに普通車は窓がないので、羽織るものを携帯しておくと安心です。
渓谷の景色を車窓から撮影したい人は、行きは右側に座ると撮影スポットがたくさん楽しめます。撮影するには、窓のない普通列車が便利ですが、普通列車は背もたれがなく、疲れを癒すには不向きです。
クタクタになった帰りは、多少料金の高いリラックス車両・特別車両を選び、背もたれのある列車で体を休めて帰る人もいました。目的地に着いてから、帰りの切符を予約しておくと確実です。
厳しい自然に囲まれた黒部渓谷は、急な天候で河原への立ち入りが禁止されたり、落石などのトラブルで目的地が閉鎖されるといったことも珍しくありません。ホームページなどで現地の状況を事前に調べるようにしましょう。